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第1回ミニレクチャプログラム ACS レポート

ミニレクチャプログラムとは? FFP とは?

大学図書館は全学的施設として、図書の選定や所蔵といった従来の機能に加えて、大学の教育との連携といった新たな機能が求められています。そこで、ACS は図書館における教育のあり方を考え、図書館で学際的なテーマにふれる機会を設けることを目的に、大学院生が45分間のレクチャを行うミニレクチャプログラムを企画、実施しました。その企画、実施にあたって、「学生が学ぶ授業」を学ぶ東京大学フューチャーファカルティプログラム(FFP)と連携しました。

東大FFPは、大学教員を目指す大学院生を対象とした、大学教員に求められる講義のあり方を学ぶプログラムです。受講生は実際に1タームの授業をデザインし、最後に他の受講生の前で模擬授業を行います。

このミニレクチャプログラムは、FFPの授業デザイン手法を活かして、大学院進学を目指す学部生や他分野の大学院生に自分の研究を楽しく分かり易く知ってもらうことを一つの大きな目的としています。

FFP式授業デザインの最大の特徴は、「アクティブラーニング」にあります。講師が受講者に一方的に話すのではなく、受講者が主体的に考え議論する機会を与えることで、理解をより深める手法です。ミニレクチャでもこの手法が効果的に取り入れられ、講師と参加者、参加者どうしの議論が活発に行われました。さらに、異分野の人にも分かり易いミニレクチャにするために設計段階で事前検討会が行われ、ミニレクチャの内容、構成、タイムスケジュールなどを含めた多様な議論が行われました。当日は二回の事前検討会を通して大幅にブラッシュアップされたミニレクチャが展開されました。

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ミニレクチャ①「国境なき国際政治? —模擬安保理で考える人道的介入—」

講師 中村長史さん (東京大学大学院 総合文化研究科 国際社会科学専攻)

国際政治学を専門とし、人道的介入(下記の内容で簡単に説明しています)の発生条件、つまり、人道的介入がいつ行われるか?について研究されています。

ミニレクチャ内容

中村さんのミニレクチャは人道的介入について考えるものでした。人道的介入とは、ある国内において住民に広範な苦痛や死(人道危機)がもたらされているとき、他の国がその国の国民を保護するために行う武力による威嚇や武力行使のことを指します(より詳細な定義はミニレクチャ資料をご覧ください)。例えば、シリアではアサド政権が国民を弾圧し、死者が15万人以上になっています。そこで、アメリカがその弾圧を抑制するために武力行使すると、それは人道的介入となります。しかし、現在に至ってもシリアに人道的介入はありません。ここで、「人道危機が起こっているのに、なぜシリアには人道的介入がないのか?」という疑問が生まれます。そこで、ミニレクチャの前半でその疑問に対して答えるための情報や理論を紹介し、最後に模擬安保理という形で参加者同士に議論してもらうことで、人道的介入について理解を深めるというミニレクチャでした。模擬安保理は、シリアに人道的介入をするかどうかを、人道的介入に肯定的なアメリカと否定的なロシアの立場に分かれて議論する、というものでした。

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ミニレクチャ②「超伝導が切り拓く未来 —物質科学の魅力—」

講師 河底秀幸さん (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻)

専門は物性物理学で、超伝導(下記の内容で簡単に説明しています)と呼ばれる現象を発生させるための新たな手法に関して研究されています。

ミニレクチャ内容

河底さんは、超伝導についてミニレクチャを行いました。超伝導の性質をもつ物質は、電気抵抗をもたず、100%の効率で電気を流すことができます。この性質を利用して、リニアモーターカーなどへの応用が期待されています。しかし、超伝導はマイナス100℃よりも低い極低温でしか実現されないなど、技術的な課題も抱えています。ミニレクチャでは、超伝導の基本的な事柄を概観するとともに、超伝導をはじめとする物質のもつ不思議な性質を明らかにしてきた物質科学の魅力を語っていただきました。電気抵抗や超伝導の仕組みなど、理系でなければ分からないと思われがちな事柄についても、クイズを交えることで文系の人にも理解できるように工夫されたミニレクチャでした。

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受講者の声

受講生は、教養前期課程の学生から大学院生、社会人の方まで幅広い層に及びました。プレゼンテーションをする機会の多い大学院生からは、スライドの見せ方や説明の仕方などが新鮮で、自分がプレゼンをする際に参考になるといった声が多く聞かれました。学部生にとっては自分がふだん勉強していない分野がどのようなものなのか、大学院生がどのような研究をしているのかを知る機会になったようです。

2015年2月5日第二回開催決定 !

今後もいろいろなテーマでミニレクチャをしてほしいという声にお応えし、 2015年2月5日に第二回のミニレクチャプログラムを開催する予定です。 大学院生進学を考えている学部生をはじめ、他分野の研究を知りたいと思っている大学院生、FFPの取り組みやアクティブラーニングの手法に興味のある方はぜひお気軽に参加してください。

第2回「東大院生によるミニレクチャプログラム」 Web ページ

 

レポート作成者: 吉田健人、吉田塁

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